あえいずの日記

辞書を読んで感想を書きとめる

寛ぐ

能楽で演者が観客に背を向けることで、「一時的に身を隠した」という表現をすることを「寛ぐ」という。


中学生の時に先生が「能は無駄を削ぎ落とした芸能だ。若いうちはその良さがわからないかもしれないが、いずれわかるようになる」というようなことを言っていたのを思い出しました。
当時は「そういうものなのか」くらいに思っていましたが、この「寛ぐ」というのも無駄を削ぎ落とした結果なのかなと、何となく繋がった気がします。
あ、別に無駄を削ぎ落としたことで舞台上なのに役者が寛げる余裕ができたってことではないですよ笑


ただ役者の移動を省いただけではなく「衣装の後ろ側」が見られるという、舞台芸術鑑賞という意味でも効果があると思うので、計算され尽くした結果の表現だな、というのは思いました。