あえいずの日記

辞書を読んで感想を書きとめる

中型国語辞典をビジネス視点で考察する

国語辞典は大きく分けて

小型辞典(7万語クラス)

中型辞典(百科辞典をプラスした25万語クラス)

大型辞典(方言などまで網羅した50万語クラス)

の3種類があります。

 


中型国語辞典では、広辞苑が累計発行部数や知名度で圧倒しています。

広辞苑が成功したので、二匹目のドジョウを狙って我も我も…というのが普通の業界ですが、25万語の辞書を作るのに何年、何十年とかかるので、その間耐える財的体力が無いと参入出来ませんし、その間にも広辞苑はどんどんポジションを確立していくので、出版にこぎつけても何十年の投資を回収するのは難しいです。

 


そんな中現在も広辞苑と戦っている中型辞典が二つあります。三省堂大辞林と、小学館大辞泉です。

興味深いことは、三省堂は激戦区の小型辞典でトップシェア、小学館は大型辞典で唯一のプレーヤーということです。

つまり、三省堂は小型で一番高い評価を得ているその品質で中型を出すことに勝機を求めているということ、そして、小学館は大型を完成させたノウハウなどを活用して、コスト面でも勝負できるということです。

 


また現在は電子辞書やアプリなど媒体が多様化し、媒体の使い易さも大きな影響を与えます。例えば私は、Kindleで唯一読めるという理由で大辞泉を通読しています。

 


そもそも活字離れ、という指摘には、「離れんな!人生大損だぞ!」って言いたい。急にどうした俺。

 


一応出版各社とは一切利害関係はありません。