あえいずの日記

辞書を読んで感想を書きとめる

「あたう」の不可能を可能にしたのは明治の翻訳家

「あたう」は明治以前までは必ず「あたわず」の形で打ち消して不可能の時に使う言葉だったのですが、開国して欧米語の翻訳がされるようになると、助動詞の翻訳として可能の意味で「あたう」が使われるようになったようです。

 


「不可能を可能にする」の意味が本来の意味と違うのが面白ポイントです。

より説明しちゃうと、本来は誰もが出来ないと思う事をやってのける時に不可能を可能にするって言いますが、この場合は「あたう」っていう言葉がこれまでは必ず打ち消しを伴って不可能を意味する時にしか使わない言葉だったのを、明治時代の翻訳家が欧米語の翻訳をする際に打ち消しを伴わない可能の意味で使い出したという意味での不可能を可能にするということで、「そっちの意味でかよ!」って感じのツッコミを伴うボケです。