あえいずの日記

辞書を読んで感想を書きとめる

青砥藤綱におバカエピソードは無い

青砥藤綱を大辞泉で引くと、川に落とした銭10文を50文使って探させた、という逸話が紹介されています。もちろん最初の10文が見つかっても50文使った時点で損確定なので、普通にここだけ受け取ればおバカエピソードになってしまいます。

 


しかし、その意図を本人が語った言葉が残されています。

「10文は少ないがこれを失えば天下の貨幣を永久に失うことになる。50文は自分にとっては損になるが、他人を益するであろう。合わせて60文の利は大であるとは言えまいか」

 


これを読めば納得、さすが青砥藤綱!となりますが、大辞泉ではこれを省略しているから、青砥藤綱の印象が不必要に悪くなってしまいます。

しかしながら、大辞泉の辞書を読む事を「面白い」と思わせようとする気持ちは好きです。私はこれを勝手に「大辞センス」と命名しています。

自分が一番センスない。